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過去の記録

第2回 米子漫画茶会
~第十次 米子映画事変プレイベント

 


 ゲスト:樋口真嗣監督

樋口真嗣

特撮、アニメ、実写と幅広く活躍する映画監督。
特技監督として、「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995年)をはじめとした平成ガメラシリーズ。監督作品として、「ローレライ」(2005年)、「日本沈没」(2006年)、「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(2008年)、「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(2015年)、「シン・ゴジラ」(2016年)など。
最新作「シン・ウルトラマン」を製作中。
「第十次 米子映画事変」にもゲスト来場予定!

会場の様子

去る2月27日(土)GOOD BLESS GARDEN4階「米子漫画ミュージアム」の特設会場で、第2回となる「米子漫画茶会」が開催されました。
 
 MCは米子ガイナックスの代表・赤井孝美と漫画ソムリエ・gallery(ギャラリー)氏。そして『シン・ウルトラマン』の公開を控える樋口真嗣監督がゲストとしてスクリーンにリモート出演すると、場内に大きな拍手が響きました。
 トークは米子を舞台にした怪獣映画『八岐之大蛇の逆襲』(DAICON FILM2001)で、監督:赤井孝美、特殊技術:樋口真嗣を務めた2人の出会いのお話からスタート。米子出身のクリエイターたちの話から、コロナ過で自宅待機を余儀なくされた樋口監督のパティシエばりのお菓子作りの話などで会場が温まったところで本題の漫画話へ。

 まずは樋口監督の思い出の漫画について伺ってみると、幼いころは厳しい家庭で漫画を買ってもらえなかったということで、唯一合法的に読むことができた漫画は「学級文庫」として教室に備え付けられた本の中に1冊だけあった『猿飛佐助』(杉浦茂・著 1953年)。それが漫画の原体験なのだとか。興味深かったのは、樋口監督は漫画のコマ割りを追っていくのが苦手だというお話。漫画のコマ割りと映像のコンテとは一見同じ表現方法のように思われがちだが、実は異なったものであるということ。コンテの感覚で読んでいくと、状況の把握が難しくなることがあるのだそうで
 そんな監督もある方法で漫画を読む機会が増え、徐々に漫画に親しむことも増えていったそうです。その方法とは
 
 他にも『猿飛佐助』の単行本バリエーションの話や、『ゴジラ』(1954)公開時期に杉浦茂によって描かれた『ゴジラ』(1955)に出てくるゴジラと『シン・ゴジラ』(2016)のゴジラについての類似点などで話は盛り上がります。他に子供のころ読んでいた漫画としては石川球太・著の『おもちゃの作り方』という、いわゆる学習漫画形式のものだったとか。そして、永井豪の『イヤハヤ南友』(1974)が樋口監督に与えた大きな衝撃の話へ展開しつつ、前半の部は終了!

 後半戦は漫画ソムリエgallery氏によるレコメンド(推薦)漫画話へ。
 まずソムリエから提示されたのは、水木しげる・著になる『ロケットマン』『怪獣ラバン』(共に1958)の2作。両作の共通点は登場する怪獣に対してロボットで戦うという点。のちの『ゲゲゲの鬼太郎』の「大海獣」を彷彿とさせる内容です。
 そして大友克洋ばりのリアルな描写が凄まじい巴啓祐・著の『神の獣』(1992)凄惨な描写も多かった問題作で、樋口監督もお気に入りだという新井秀樹・著『ワールド・イズ・マイン』(1997)。監督が『ゴジラ』(1984)に関わっていた頃読んだ高寺彰彦・著、原作・大友克洋、高千穂遙『サルタン防衛隊』(1984)などの話で盛り上がりつつ、最後はお菓子作りにハマっている監督へ若木民喜・著『なのは洋菓子店のいい仕事』(2015)をプレゼンしてレコメンド漫画の紹介は終了し、茶会も閉会となりました。
 
 第十次米子映画事変のプレイベントとして、初のリモートによるゲスト出演という形をとらせていただいたイベントでした。さて、第3回目の米子漫画茶会はどんな内容、ゲストになるのか? こうご期待

会場の様子