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過去の記録

第6回 米子漫画茶会


 ゲスト:とまる
鳥取マガジン代表

とまる

鳥取県出身。青山学院大学経済学部卒。金融会社勤務後、教員として働く。
東京から鳥取県米子市にUターンしたことを機に教員をやめ、鳥取マガジンを設立。鳥取マガジンのテーマは「地元を上機嫌に」。鳥取県情報のプラットフォームにするために毎日奮闘中です。
趣味はスポーツ観戦。ガイナーレ鳥取のサポーターです。
3人の子育て中、というより子に育てられています。

会場の様子

 2か月ぶりとなった米子漫画茶会・今回のゲストは「鳥取マガジン」の代表を務められている「とまる」さん。
 
第1部「漫画と私」
今回は野球漫画がテーマです。お話は『かっとばせ!キヨハラくん』(河合じゅんじ)の思い出からスタート。子供の頃より、今読んだ方が面白く感じると解説するとまるさん。そこから野球漫画で多かった、実名系漫画あるあるネタで盛り上がる一同。とまるさんは他にもミニ四駆やドッジボールを題材とした『ダッシュ!四駆郎』(徳田ザウルス)や『炎の闘球児 ドッジ弾平』(こしたてつひろ)など当時流行ったコロコロの漫画を懐かしむ。加えて『おぼっちゃまくん』(小林よしのり)も大好きだったそうで、これも大人になった今読んでも面白いマンガだと解説。そこでソムリエのGalleryさんがコロコロコミックの漫画では『ゲームセンターあらし』(すがやみつる)『つるピカハゲ丸』(のむらしんぼ)や、受験マンガがボクシングマンガになるという破天荒な内容の『とどろけ!一番』(のむらしんぼ)がお気に入りだと紹介。野球漫画だと『リトル巨人くん』(内山まもる)が世代なのだとか。

 そして、とまるさんは小学校高学年くらいになると、まだ年齢的に買うには早いと思っていた「週刊少年ジャンプ」へと興味が広がり『ドラゴンボール』のあらすじを細かく友人に聞いていたという(買えなかったので)。話を聞きながら各キャラクターの姿を想像することに喜びを感じていたそうです。そんなお話から「海賊版」事情に話は広がり、中学校時代では『SLAM DUNK』(井上雄彦)『幽☆遊☆白書』(富樫義博)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)辺りを楽しんだという話に。奥手だったとまるさんは、中学で一緒になった他の小学校からの同級生が、週刊ヤングマガジンの『行け!稲中卓球部』(古谷実)を読むなど、青年誌の漫画の話をしてきたり、恋愛について話して来たりでカルチャーショックを受けたのだそうです。
 高校生になると、学級文庫よろしく皆が持ち寄った漫画が教室に並んでいたそうですが、とまるさんが持ち込んだのは『美味しんぼ』(雁屋哲・原作/花咲あきら・作画)で、かなり不人気だったそうで「なんでこの面白さが分からないのか!」と憤慨することしきりだったそうです。大学生時代は本屋でバイトをしながら松本大洋の作品に傾倒したとのこと。『こちら葛飾区亀有交番前派出所』『美味しんぼ』あたりは連載期間も長く、広い年代との共通言語として機能した一面はあったようです。
 そして現在は10歳になる娘さんが急にどこで興味を持ったのか野球を始め『MAJOR』(満田拓也)『グラゼニ』(森高夕次・原作/足立金太郎・作画)など、野球漫画を一緒に読んでいるそうです。そしてMCの2人を交えての野球漫画談議へ話は広がり

第2部「レコメンド漫画」
 野球部だったGalleryさんの野球漫画との出会いは『ドカベン』(水島新司)そして又従兄弟からもらったという『くりくり投手』(貝塚ひろし)。初めて魔球が登場した漫画といううんちくに添えて、自身が行っているイベント「まんだん」の鳥取が登場する漫画を紹介した冊子を紹介。米子漫画ミュージアムにも置いてあるそうなので、興味のある方はご一読を。
 さてレコメンド漫画1冊目は『野球狂の詩』(水島新司)の10巻より「メッツ買います」。鳥取から出てきた男性が、成績不振の東京メッツを買おうというお話。女性投手の水原勇気も登場します。男性しかプロ野球選手になれないという規約が撤廃された年に描かれた漫画『メイプル戦記』(川原 泉)も紹介。続いて初めて野球漫画に女性選手が登場した『ライバル左腕』(つのだじろう)。加えて野球漫画ではないが『ストップにいちゃん』(関谷ひさし)に男装して試合に出る少女を描いた話があり、それが女性選手を描いた最初の作品ではないかとの解説。

会場の様子
 

ふたたび『野球狂の詩』の話に戻り、次の話題は『4P田中くん』『ドリームス』(七三太郎・原作/川三番地・作画)などを手掛ける七三太郎氏がちばてつや氏の弟(四男)である話から。『4P田中くん』はとまるさんも読んでいたそうです。このコンビの作品である『天(そら)のプラタナス』や『クロカン』(三田紀房)や『ラストイニング-私立彩珠学院高校野球部の逆襲』(原作・神尾龍/監修・加藤潔/作画・中原裕)といった、監督など選手以外を主人公に据えた漫画を紹介。
 続いては『ショー☆バン』と続編の『ストライプブルー』(原作・森高夕次/作画・松島幸太朗)を紹介するソムリエ。中学生の「軟球野球」を描いている点をプッシュ。
 最後はまた七三太郎・原作/川三番地・作画コンビによる『風光る』。プロ選手の投球フォームをまねすることで実力をつけていく、弱小チームに属する主人公の話で盛り上がります。
 この後も野球漫画談議に花が咲きますが、それはぜひ動画でご確認を!